「そのウェブサイトの常識、古くありませんか~よくある10の質問&回答例を共有する無料ウェビナー」に参加しました。
10問のよくある質問を元に、ウェブサイトを作る上での間違った前提や古い認識について改めて教えていただける面白いセミナーでした。説明されると深く納得できるのですが、絶対に自分では考え付かない目からうろこの考え方の連続でした。
復習を兼ねてセミナーの内容をまとめました。
10の質問
- 1 ウェブサイトのKPIは何がオススメ?
- 2 ウェブサイトは何ページくらい必要?
- 3 ウェブサイトの予算はどのくらいが妥当?
- 4 ウェブサイトを回遊させるには?
- 5 ウェブサイトでブランディングするには
- 6 ウェブサイトのデザインのトレンドは?
- 7 アクセス解析はどのくらい見るべき??
- 8 議論が分かれたらABテスト?
- 9 ウェブサイトに最適な更新頻度は?
- 10 オウンドメディアとの使い分けは?
質問1 ウェブサイトのKPIは何がオススメ?
回答:KGIと直接相関するKPI
複数の指標で判断する
指標は2~3のバランスで決めるコンバージョン数と商談数と成約数のバランスを見て判断するべき
注意点
PV数を増やすことだけを目指しても仕方ない。
PV数の増加が士気をあげてオウンドメディアを続けるモチベーションにするのはあり。ビジネスに影響がないことも多い
質問2 ウェブサイトは何ページくらい必要?
回答:出来るだけ多い方がいいが、事業のフェーズ次第
ユーザーの意思決定に必要な情報ならば必要なだけ用意するが、結局はお客さんのニーズによる
ページ数が多ければ流入のきっかけ(エントリーポイント)となり、より多くの人が満足する内容になるが、事業フェーズによってウェブサイトに求める役割も変わるので事業のフェーズの見極めが大事
※事業のフェーズ
導入期(立上期)、 成長期、 成熟期、 衰退期
質問3 ウェブサイトの予算はどのくらいが妥当?
回答:何に重点を置いて決めるかの問題。
ウェブサイトの予算を決める6つの視点
①年間予算からの決め打ち
結局は一番妥当でわかりやすい。このタイプが一番多い。
②出来るだけ安く
事業フェーズが導入期ならあり。
③予想削減コストからの逆算
投資対効果をしっかり計算して決めるパターン。
④予想獲得利益からの逆算
予想できる利益から、かかった費用の差分をを予測して算出。
⑤人件費との比較
人間の代わりに働いてくれる、24時間働ける社員を雇ったと考えて予算を算出。
⑥売上比率の一般論
事業売上と比較して予算を決める。
①が一番多い。
③④は外れることも多いのであまりうまくいかないことが多い。
質問4 ウェブサイトでユーザーを回遊させるには?
回答:できるだけ回遊させない。LPの集合体、1ページで完結させる
そもそも回遊は必要なのか?
ユーザー目線で考えると自分なら回遊したいと思うか?
→ほしい情報に一度でアクセスできる方が良い。→なるべく回遊させない
理想は1ページでほしい情報がすべて手に入ること
→直行型の導線を目指すべき
ウェブサイトは異なるLPサイトの集合体を目指して作る
注意点:間違った判断をしがちなポイント
文章が長いのでページ分割するくらいなら、長いまま残した方がいい
質問5 ウェブサイトでブランディングするには
回答:ウェブサイトの目的をブランディングにしてはいけない
2つの論点
本質的なブランディングがしたいのか、
見た目をきれいにすることをブランディングと言い換えているだけなのか
ブランディングのざっくりイメージ
企業が目指すブランドコンセプトを顧客や見込み客にイメージとして持ってもらうこと
どちらのウェブサイトが良いブランドイメージを作る?
① 見た目が特徴的でその企業らしさが出ている
② ほしい情報がすぐに手に入る
→ブランディングしたいという人は①を目指しがちだが、
実際は②の方が企業に対して親切な良いイメージを持つのではないか?
ウェブサイトの何がブランドに影響を与えてるのか?
ユーザーが見るのはコンテンツ(文章・図・商品写真などの中身に相当する部分)であり、操作性や読みやすさは特に気にしていない。
→コンテンツに没入しやすくサイトを作ることがウェブにおけるブランディング
ブランディングに求めている効果は何か?
ブランディングの効果には直接的な効果も間接的な効果もあり、目的がふんわりしすぎている。
ブランディングという言葉に集約させず、ウェブサイトにどんな効果を求めているのかもっと突き詰める必要がある。
質問6 ウェブサイトのデザインのトレンドは?
回答:トレンドでは無く顧客を見よう。
アニメーションを多用するような、企業やデザイナーが好きなデザインと、ユーザーが好きなデザインにはかなりのギャップがある。
取り扱い注意
ギャラリーサイトはデザイナー向けに集められた材料なので結構ごてごてしており、一般ユーザーの感覚とはずれている
企業が思っているより嫌われているもの一覧
・不要なアニメーション
・個性的なレイアウト
・小さな文字
・英語のインターフェイス
・トリッキーなスクロール表現
質問7 アクセス解析はどれくらい見るべきか
回答:健康診断と同じ頻度でok。気になる不調があるときだけ確認する。
問題点
アクセス解析をしたことがない人程期待が大きい。
アクセス解析が有効になる条件
・仮説がある
・比較したい箇所や時期が明確
・訪問者が膨大。母数が少ないと揺らぎが大きい
・コンバージョン数が数百~数千単位
・データのリテラシーがある
・他のデータ と併用する
因果の方向はデータではわからない。このページをを見たからコンバージョンに至ったのか、コンバージョンする人がこのページを見たいから経由していったのかはデータからは読み取れない
サイトを解析したからと言って問題点が確実に見つかるわけではない
コンバージョンの経路
コンバージョンのアシストしている可能性が高いキラーコンテンツはどれか探す。
ただし、どれも精度を上げる程度の働きしかないので、なんらかの仮説がなければ見る必要はない。
・アクセス解析でわかることは少ない。
・アクセス解析で答えが出せるわけではない
・平均の罠にはまる人が多い。
質問8 議論がわかれたらABテスト
回答:必然的な理由がない限りはABテストはしなくてよし
意味ある結果を導くためにはある程度のデータが必要。
必然的な理由がない限りはABテストはしなくてよし
データの母数が少ないと多少の数値の変動は誤差にしかならない。
問題点
ABテストをしたことない人程ABテストに過大な期待を寄せる
注意点
・量が必要。 偶然結果が変わっただけの場合と区別できない。
・変動要因が多いと無意味
・比較要素が多いと分からなくなる
・AもBもだめだと意味がない
・テスト時の成績が悪い方が後々結果を出すということもある。
質問9 ウェブサイトの最適な更新頻度は?
回答:無理に更新しなくてもいい。更新してる感も重要でない。80点以上の改善も不要
タイプによる更新頻度の度合い
・更新・改善しなくても成果が出るサイト
btobサイト 採用サイト
・更新・改善がそもそも重要ではないサイト
コーポレートサイト
・更新した方がいいサイト
EC、サービスサイト
・更新が前提のサイト
オウンドメディア
よくある誤解
・更新しないといけない
・更新してる感を出さないといけない
・PDCAを回さないといけない
毎年変わる採用サイトは必要か?
BtoBに必要な更新改善
→内容が変わった、コストが変わった等ユーザーが欲しい情報に変更があった場合や、戦略が変わったらそれを反映すれば良い。
ある程度の完成度のあるサイトができたらそこから変える必要はあまりない。80点が出せたら100点を目指す必要はない。
問題点
おしらせをコーポレートサイトの目立つところに置きだがるがそれは必要だろうか?
→ユーザーは企業サイトの更新情報にさほど興味を持っていない
無理に更新しなくていい
更新してる感も重要では無い。80点でいい。
質問10 オウンドメディアとの使い分け
回答:常設サイトではリーチできない顧客との接点として使い分ける
「コラム」記事等をコーポレートサイトに組み込みしている場合、動線を考えるとユーザーに必要ないナビゲーションが並ぶのでUI的に問題もある。
それであれば別にサイトを立ち上げた方が分かりやすいかもしれない。
ただし、コーポレートサイトのメニューにあっても会社側にメリットがある場合がある。
オウンドメディアのメリット
コーポレートサイトには載せにくいが、ターゲット層に好まれそうな情報を発信する場として使える。
常設サイトとは違うコミュニケーションが取れる
注意点
企業ごとに得意不得意があり、オウンドメディアに向いていない企業もあるので無理に進める必要はない