LINE公式アカウントの機能を拡張させる便利なツール DMMチャットブーストについてのセミナーに参加してきました。
LINE公式アカウントと DMMチャットブーストを組み合わせたEC運用の実績を、広島の酒屋・酒庫住田屋のEC担当廣中さんに3つの項目から紹介していただきました。
LINE公式アカウントのメリット・デメリット
まずはLINE公式アカウントについて、メリット・デメリットを説明します
- メリット
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メリットはなんといってもアクティブユーザーが多いことです。全世代の利用率は90%を超えるといわれるLINEはもはや生活インフラと呼んでも差し支えない非常に身近なツールです。ユーザー数が多さに加え、他のSNSと違いサブアカウントを所持しているユーザーが少ないため、配信するメッセージへのリーチが確実だと言われています。 特に「友達登録」したユーザーへ個別にメッセージ配信ができ、プッシュ通知でスマホ画面に通知避けるのでメッセージの開封率が高いです。
- デメリット
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メリットは、友達登録をしてもらわないと配信が行えないという点です。また、友達登録だけではなく何かの反応を返してもらわないと一方的なメッセージ配信しかできず、LINEの強みである対話ができません。そのため、登録時にはスタンプでの反応をリクエストしたり、質問を送ったりという工夫が必要になります。 他にも、長文が送りづらい、ブロック率が高い、アカウント停止されると顧客情報が消えてしまうという点があります。
LINE公式アカウントに限ったことではありませんが、一長一短ありますので運用を始める前にはよく検討する必要があります。
DMMチャットブーストとは
続いて今回のセミナーで紹介されたるMMチャットブーストについてです。
DMMチャットブーストはLINE公式アカウントの機能を拡張して、誰でも簡単に顧客対応や顧客管理、顧客分析などを自動化できるツールです。今回のセミナーでは様々な機能が紹介されました。
なぜLINE公式アカウントとDMMチャットブーストを利用したのか
廣中さんがLINE公式アカウントとチャットブースト導入した理由をそれぞれ紹介します。どちらも理由が合理的です。
LINE公式アカウントを選んだ理由
①新聞広告の効果が薄れていたため新たな施策が必要だった。
②他社でのデジタル施策の増加に刺激された。
③メーカー連携施策を強化したかった。
店に来る年配のお客さんでもスマホを使っている人が多かったため、LINEでの広告が有用だと判断
チャットブーストを選んだ理由
①タグ配信ができたこと。マーケティングの精度が上がると判断
※タグ配信を希望した理由……
メーカーさんから販促用にもらう試飲缶があり、INEクーポンで配布していたが
数に限りがあるため、より効果の高い人に配りたいと考え、
タグで顧客管理ができるチャットブーストを選択した
LINE公式アカウントとDMMチャットブーストを組み合わせたEC運用の実績
LINE公式アカウントとDMMチャットブーストを組み合わせたEC運用の3つの施策について説明します。
Ⅰ. オンラインストアのセッション数アップ
Ⅱ. ECの売り上げアップ
Ⅲ. 顧客対応工数50%削減
Ⅰ. オンラインストアのセッション数アップ
①LINEの友だち追加施策
オンラインストアの売り上げを上げるためには、まずはサイトへ訪問してもらわないといけません。
そこでLINE公式アカウントで友だち登録をしてもらい、お得なクーポンを配信するなどの施策でサイトの訪問数を底上げしていきます。LINEの友達を増やすために廣中さんが取った施策は3点です
・配送状況の確認ができるなどの利便性をアピールする。
・あらゆる箇所に友だち追加の導線を設置する。
・実店舗でもポップを置いて友だち追加のメリットを説明
②Facebook広告・外部SNSからも新規顧客を獲得
広く普及したSNSはLINEだけではありません。顧客の獲得のためにはLINE以外のSNSの活用も大切です。
廣中さんが活用されたのはFacebookとInstagramでした。
・Facebook広告を活用する
より多くの人をターゲットにするFacebook広告を配信。
(ただ、予算が少なかったので大都市圏に絞っての配信になったそうです)
→地方と都市圏では商品の需要が違うということに気づき、
(広島では需要がないが、都市圏では希少で需要が高い商品があるなど)
少ない広告費用で売り上げを伸ばすことに成功
・Instagram
広島の小さな店舗であることを強みにする。
大手ではできない温かみや特色を出すためにあえて個人アカウントを利用し、
廣中さん自身のキャラクター性を押し出す。
→特に購入された商品に付けた手書きのメッセージカードなどの評価が高く、
twitterなどで写真が上げられ話題になる
SNSでの施策でLINEの友だち登録を促進し、獲得した友だちへの配信によりサイト訪問数が大幅アップ(約14倍)
Ⅱ. ECの売り上げアップ
続いてはECサイトへの訪問数ではなく、売り上げを直接上げるための施策とその効果です。とても参考になります!
①EC上での試飲缶施策(オンラインストアでの購入がメインのお客様向け)
友だち限定のクーポンコードを発行。
ECサイトで商品を購入したら、商品の発送時に試飲缶をプレゼントする
ECでの購入の最後の一押しに
②実店舗での試飲缶施策(実店舗での購入がメインのお客様向け)
試飲缶をプレゼントする、という告知メッセージをLINEの友だち4000人に配信した結果、
1500人が引き換えのために来店。
今まで、普通に店頭で配ってもあまり反応がなかったが、わざわざ来店してくれた人なら関心が高いため、
商品提案もでき売り上げアップにつながる。
③友だち追加をした時の初回アンケート
購入者の立場(飲食店か個人か)、好きなお酒を確認しタグ付けをする。
タグごとに広告の配信ができるようになり、より的確なマーケティングができる。
④ユーザータグを活用したセグメント配信
課題:おつまみの売り上げが少ない。
→お客さんのオススメのおつまみとお酒についてSNSに投稿してもらうようにメッセージを配信する。
→あまり知られていない地方のおつまみを教えあうことでSNSでのやり取りが活性化する。
その結果、酒類と比べて伸び悩んでいたECでのおつまみの売り上げが伸びた。
⑤かご落ち配信
かご落ち配信とは、せっかく購入カートに商品を登録してくれたのに、アクションが止まってしまったお客様へ、
一定時間の経過で自動でLINE通知を出すDMMチャットブーストの機能です。
なんとリカバリー率が最大で20%近く上がるそうです。
⑥DMMチャットブーストコミュニティ
これはチャットブースト事態の機能とは少し違うのですが、チャットブーストにはEC運営で困ったことや
施策で悩んだ時にユーザー同士で相談し解決を目指すコミュニティがあるそうです。
課題に対する解決策をより短時間で見つけられたり、新しい施策の着想をもらえることも多く、
とても心強いとのことでした。
⑦シークレットセールの開催
酒庫住田屋さんではLINEの友だち追加とオンラインストアとのID連携を条件に、
特別セールを開催されているそうです。
キーワードをLINEで送信するとシークレットセールへのリンクを教えてもらえるということですが、
シークレットセールという特別感が購買意欲を刺激するのでしょうか。ちょっと覗いてみたくなります。
このセールの結果は
・友だち数が前日比200人。
・ID連携率25倍。
・オンラインストアセッション数 前月比56倍
と非常に効果が高かったそうです。
LINE公式アカウントとDMMチャットブーストを最大限に活用した施策で売り上げを大幅にアップ
Ⅲ. 顧客対応工数50%削減
酒庫住田屋さんではDMMチャットブーストのシナリオという機能を使った自動顧客対応を活用し、
よくある質問の対応をを自動化して対応時間を削減しているそうです。
・シナリオ設定機能が用意されており、基本はテンプレートの入力で作れるのでそこまで大変ではない。
・画像や動画も組み込める。シナリオとユーザータグも連携できるので自動でも精度の高い対応ができる
以上の点から、安心して対応を任せることができ、空いた時間でより複雑な業務に集中して取り組めるようになったそうです。
自動対応とは思えないきめ細かな対応で、EC担当者の時間を確保
感想
廣中さんがどんな目的で施策を立案したのか、それを実現するためにどんなツールを使ったのか、どのような結果になったのか、という流れを実体験から教えていただけるとても貴重お話を聞かせていただきました!